レーザーカッターでペン立てを作る
すこし前のことになるのですが、レーザーカッターを導入してみました。で、後期に向けたウォーミングアップ、そしてデジタルファブリケーションを体験してみようということで、自席のペン立てを作るというワークを研究室にて行ってみました。
学生たちとしては、レーザーカッターは先輩が卒業設計などの添景を作っていたのを見たことがある程度の認識だったので、まずはシンプルに:
- イラストレーターなどで線を描いたらその通りに自動的にカットしてくれる
- 材料としてはA3サイズ、2.5mm厚のMDFを提供。組むなら2.5mmのスリットを設ければ良い(クリアランスは不要)
- 切断面は直角
を伝え、ペン立てをデザインしてもらいました。
特に方向性を示したわけではないですが、それぞれペンが一本だけ立てられる「一ペン挿し」や、メガネ、イヤホンと色々おきたいブリッジなペン立て、ペンを複数起きつつきっちり仕切る消しゴム置きつきの多機能なペン立て、複雑な形状が好き?な学生はごそっと置くためのオーゼテック・パビリオンなプレートなど個性的なペン立てができました。
加戸はというと、Grasshopperの練習を兼ねて、レーザーカッターでの家具やオブジェクト作成でよく見られるワッフル化を行うスクリプトを実装し、Stanford Bunnyなペン立てを作成してみました。
三次元モデルをSet one Meshすると自動的に:
- ワッフル上に板を組んだ状態に変換し
- 交差部の嵌合(相欠き)を生成し
- 投影してレーザーカット用の平面的な加工データを作成
してくれる(はず)というものです。スクリプトはこのリポジトリ(gh_wafflizer)にアップしてあります。詳細はリポジトリの方に書いておきましたが、やっぱりツリーの操作の部分がなかなか難しいですね。
この「自席のペン立て」のワークではとりあえずレーザーカットをしてみようと設定してみたのですが、今回学生たちが採った、(手でモデリング→)手で加工用のデータ作成→デジタルファブリケーション機器で出力というプロセスだと、作ろうとする部品のパターンが増えると加工用のデータを作る手間がちょっと増えます。そうすると自動で加工してくれて嬉しい(今回は特に手では切りにくいMDFのような素材を自動で切ってくれて嬉しい)という印象が強いようですね。デジタルファブリケーション的には、上流の自動で加工用のデータを作成することもポイントになると思っているのですが、アルゴリズミックデザインと組み合わせたようなオール役物的な良さ≒手作業だと難しいユニークな部品により成り立つデザインの可能性を実体験するには至らなかったようです。今回はひとまず導入編と位置づけることにして、自動で加工用のデータを作成することを前提にオール役物なデザインを考えるワークを改めて考えてみたいと思います。